Up | 「動物」の捉え方 | 作成: 2018-05-13 更新: 2018-07-16 |
そしてこの二つの概念を同値につなげているのが,「脳」である。 脳をもつ生物は,「動物」である。 しかしこのとき,「脳をもつ」は,「脳が存在しない」ものから「脳が明瞭に存在する」まで,グラデーション模様で考えるものになる。 <わたし>の論は,このグラデーションを理解していないと間違う。 即ち,哲学をしてしまうことになる。 「動物」は,「多細胞動物の進化/系統」で考えることになる。 生物学の知見は,つぎのようになっている: ( 和田・佐藤 (1993) : 科学 63(4)) 最初の分岐が「側生動物」になっていて,これの進化の末端にカイメンがある。 このカイメンは,<わたし>が立たない。 即ち,体制が襟鞭毛虫のコロニー状であり,<細胞のコロニー>という存在様式と連続するふうになっている。 クラゲ,イソギンチャクの食餌行為は,命令中枢が無い反応連鎖系であり,この点で,食虫植物が虫をとらえる動きと同じである。 脳の存在を以て<わたし>を措定できるのは,「左右相称動物」の系統からである。 |