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 本論文の主題は,“実効的手続き”の立場から“理論”を定式化することである。(結果として,この定式化は有限主義的である。)このことによって,理論が生成する記号列(ことば)と,それについてわれわれが言及するときのことば(“メタ言語")が,明確に区別できるようになる。

 この定式化は,“実効的手続き”に即くという制約から,以下に見るようにかなり煩瑣なものになり,その妥当性はにわかには判断し難い。

 このために,われわれは論を,定式化の方法の記述と,方法の妥当性の検証──具体的な例との付き合わせ──を逐一繰り返す形で進めていくことにする。このデモンストレーションは自明なことの繰り返しになるが,《自明な手続きを明示し,省略しない》ことが正にわれわれの主題なのである。