Up 商品経済の必然──「多様性実現社会」の形 作成: 2017-07-11
更新: 2017-07-11

    「系は，多様性が増大する状態へ推移する」を，人の社会に適用してみる。
    「社会は，多様性が増大する状態へ推移する」になる。
    これは，資源 (「自由エネルギー」) 的条件が許せば，人の社会は商品経済社会に進むということである。
    商品経済が，個の多様性が最大に実現される社会形態だからである。


    商品経済社会の「個の多様性」のメカニズムは，「分業」である。
    但し「分業」の意味は，当初の「効率化」から, 「他との差別化 (ニッチさがし) を強いられる」に変わっていく。

    商品経済社会は，自分が他と同じであってはならない社会である。
    「他と同じであってはならない」は，商品経済社会の員になった者の宿命である。
    ただし，この宿命に対する受動性は，「独自──世界にただ一つの自分」の価値観醸成によって，能動性に修飾される。──宿命の合理化！

    多様度の増大──員の布置の多様度の増大──は絶対である。
    社会主義・共産主義ないし平等主義が成立しないのは，系の理 (「物理」) に反するもの──根本において反するもの──だからである。


    この多様度の増大は，エントロピー増大である。
    この増大には，終わりがある。
    即ち，極大に至って終焉する。

    商品経済社会のその後は？
    なってみないとわからない。