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ミミズの意外な真実「ミミズの性別と見分け方について?」から引用:
ミミズには色々な種類がありますが、ほとんどのミミズは雌雄同体であり、雄と雌の区別がありません。
一匹のミミズが卵巣と精巣の両方を持っています。
ですが、一匹だけでは卵をつくることはできず、他の成熟体と「交接」と呼ばれる生殖行為をすることで精子を交換し、卵をつくることができます。
成熟体のミミズは、体の前方に肥大した帯状の部分があります。
これを環帯と呼び、多くの大型ミミズには、環帯の腹面に雄性生殖孔、雌性生殖孔があります。
成熟したミミズ同士が互いに逆向きになり、雄性孔が相手の受精嚢孔に接するように体を接触させて、交接を行ないます。
受精嚢孔が2対ある種類のミミズは交接を1回ずらし、5対あるミミズでは、交接を4回ずらすことになるので時間がかかります。
交接を終えると、どちらのミミズも産卵します。
産卵すると、卵胞熟成期→孵化→成体を経て、成熟体のミミズになります。
1つの卵から2匹以上が孵化するので、平均でおよそ4匹、多い時には6匹生まれてくる場合もあります。
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NHK「ミミズの言い分」から引用:
環帯は、ミミズが子どもを作るための器官。‥‥‥
ミミズは卵で増えるが、雌雄同体の生き物で、1匹の体の中にオスとメスの器官、両方を持っています‥‥‥
ミミズは子どもを作る際、体をくっつけて、お互いの精子を交換します。
その後、環帯から発生させた膜に産卵。[この膜が卵の殻になる]
環帯から発生させた膜を脱ぐ際に、交換した精子が卵の中に入り、受精が完了。
この工程が終わると、ミミズは膜を脱ぎ捨てます。
そして、数ヶ月後、卵から赤ちゃんミミズが誕生。‥‥‥
フトミミズの場合、ひとつの卵(コクーン(卵包)と呼ばれる)から誕生する赤ちゃんミミズは1匹のみです。
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『ミミズ──土をつくる生き物』, pp.36-38
ミミズはふつう、卵を産んで子孫をふやします。
背骨のある動物や昆虫などでは、卵を産むのはメスですが、ミミズにはオスとメスの区別がありません。
ミミズの体には、精子をつくるオスの器官と卵をつくるメスの器官が、両方ともにそなわっています (雌雄同体)。
そのため、おとなのミミズはみんな、卵を産むことができるのです。
同じなかまのおとなのミミズが出合うと、体の前方にある帯のような部分 (環帯) あたりの腹側をぴったりとくっつけて交接し、たがいに相手に精子を渡します。
渡された精子は、精子を出すあな (雄性孔) のさらに前側にあるあな (受精のう孔) から体の中のふくろ (受精のう) Iこいったんしまわれます。
交接をすませたミミズは、体の中で卵ができあがると、環帯から白っぽいねん液を出します。
ねん液はかたまって、体をぐるっと巻く腹巻きのような形の帯になります。
すると、ミミズは体を帯から後ろに引き抜きながら、体と帯のあいだに卵を産むのです。
このとき、しまってあった精子を卵といっしょにくるみ、卵を受精させるのです。
そして、つづけて体を後ろにずらしていくと、帯の先から頭がぬけて、帯の前側のはしが細くなって閉じます。
さらに体を後ろにずらすと、最後に帯の後ろから頭がぬけ、両側がすぼまった風船のような形のカプセル (卵包) ができるのです。
卵包にはふつう1個の卵が入っていますが、シマミミズだけは卵包の中に、2〜6個ほどの卵が入っています。
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- 引用/参考Webサイト
- 引用/参考文献
- 中村好男[監修], 皆越ようせい[写真] :『ミミズ──土をつくる生き物』, あかね書房, 2013
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