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Darwin (1881), pp.98,99
(Darwin が観察したミミズは,オウシュウツリミミズ Lumbricus terrestris)
ミミズが穴を掘る方法
これには2つの方法がある。
土を押しのけて掘り進む方法と、土を飲み込みながら掘り進む方法である。
第1の方法では、細く伸ばした体の先端部を小さな隙聞や穴に突っ込んでいく。
そしてペリエが注目しているように、そこに咽頭を押し出す。
その結果として、土を四方に押しのけるのだ。
つまり体の先端部はくさびのような役を果たすことになる。
しかもその部分は、すでに見たように、くわえたり吸い込んだりすることにも使われるし、触覚器官としても機能している。
[第1の方法]
柔らかい腐植土の上に1匹のミミズを置いたところ、2, 3分で土に潜った。
ポットの中で、まあまあ押しつけた土の上に4匹のミミズを放したときは、15分でポットの内面と土との隙間に姿を消した。
柔らかい腐植土に細かい砂を混ぜて固く押しつけた土の上に大きなミミズ3匹と小さなミミズ1匹を放したときは、35分で、1匹のしっぽを除き土の中に姿を消した。
砂を混ぜた粘土を固く押しつけた土の上に6匹の大きなミミズを放したときは、2匹のしっぼの先端を除き、40分で姿を消した。
いずれの例でも、目視できたかぎりでは、ミミズが土を飲み込むことはなかった。
たいていは、ポットの内面に近い土の中に潜り込んだ。
[第2の方法]
次いで、ホットに砂鉄を詰めて押し固め、たっぷりの水を含ませることできわめて締まった状態にした。
そこにも大きなミミズを1匹放したのだが、何時間も砂に潜ることができなかった。
最終的に完全に潜れたのは25時間40分後のことだった。
ミミズは砂を飲み込むことでこれを成し遂げた。
それは、体全体が砂に潜るまでに、大量の糞を紅門から延々と排植しつづけたことで明らかである。
続く一日中、似た状態の糞塊が巣穴から排池され続けた。
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- 引用/参考文献
- Darwin, Charles : The Formation of Vegetable Mould Through the Action of Worms, 1881
- William Clowes And Sons, London, 1881
- 渡辺政隆[訳]『ミミズによる腐植土の形成』, 光文社, 2020.
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