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藤田紘一郎 (2002), pp.170-172.
大腸菌はヒトをはじめとする動物のお腹を主なすみかとしている。
健康なヒトを調べるとその大腸には常に四種類ぐらいの大腸菌が見つかる。
しかし、必ず優先種というのが一種類あって、その他の大腸菌は週単位で入れ替わっている。
大腸菌はヒトとは切っても切れない、穏やかな共生関係を続けているのだ。
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私たちの腸内には「腸内細菌叢」といって、乳酸菌、ビフイズス菌、大腸菌、ウェルシュ菌などがたくさん棲んでいる。
このうち乳酸菌やビフィズス菌などは「善玉腸内細菌」といわれ、比較的大事にされてきた。
しかし、ヒトの腸は、これらの「善玉腸内細菌」だけではうまく機能しない。
「悪玉」の大腸菌などをすべて駆逐した場合には私たちの腸は正常に働かないことがわかったのだ。
つまり、あくまでも腸内細菌類の間の「バランス」が必要だ、ということだ。
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- O157
- 引用文献
- 藤田紘一郎 (2002) :『バイ菌だって役に立つ──清潔好き日本人の勘違い』(講談社+α文庫), 講談社, 2002.
- 参考サイト
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