3.15.1 行為語,モニタ語,志向語


     先ず,語に関する“行為語",“モニタ語",“志向語”の三つのカテゴリーを導入する。

     二つの有限集合A,M,Iを定める。それぞれ,行為を表現する動詞の集合,モニタ行為を表現する動詞の集合,志向を表現する動詞の集合である。

     モニタ語を,つぎのように(再帰的に)定義する:
      (1) Mの要素はモニタ語である;
      (2) 二つのモニタ語x,yに対し,x∧y,x∨yはモニタ語である。
      (3) (1)と(2)によって生成される記号列のみがモニタ語である。
    また,これと全く同型に,志向語を定義する。

    そして,行為語をつぎのように(再帰的に)定義する:
      (1) Aの要素は行為語である;
      (2) モニタ語は行為語である;
      (3) 志向語は行為語である;
      (4) 二つの行為語x,yに対し,x∧y,x∨yは行為語である。
      (5) 行為語xとモニタ語yに対し,x←yは行為語である。
      (6) 行為語xと志向語yに対し,x<yは行為語である。
      (7) (1)-(6)によって生成される記号列のみが行為語である。
    ここで,x∧y,x∨y,x←y,x<yを,それぞれ“xかつy",“xまたはy",“x自分をy",“xことをy”と読む。

    例: A={歌う,踊る},M={観察する,点検する},I={好む,欲する} からは,つぎのような行為語が生成される:

    歌う
    観察する
    好む
    歌うかつ踊る
    観察するかつ点検する
    好むかつ欲する
    歌うかつ観察する
    歌うかつ好む
    観察するかつ好む
    歌う自分を観察する
    歌うことを好む
    踊るかつ(歌う自分を観察する)
    踊るかつ(歌うことを好む)
    (歌う自分を観察する)自分を点検する
    (歌う自分を観察する)ことを好む
    (歌うことを好む)自分を点検する
    (歌うことを好む)ことを欲する
    ・・・・