(Newell and Simon,1972,p.72) A problem is a task for which: A problem is a situation in which an individual or group is called upon to perform a task for which there is no readily accessible algorithm which determines completely the method of solution. ... ... any reference to a problem or problem solving refers to a situation in which previous experiences, knowledge, and intuition must be coordinated in an effort to determine an outcome of that situation for which a proceddure for determining the outcome is not known. (Lester,1978,p.54)
しかし,問題解決論のオリエンテーションでは,(b) の場合も (a) の場合と同様に問題解決に入っていくとされる。したがって,(b) は実際上 (a) の特殊と見なせるわけであり,(a) のみが強調されていることを片手落ちと見なす必要はない(註1)。 ここでの最も重要な論点は,“どんな行動をすべきかが直ちにはわからない”ということの機制である。 実際,この論点は,問題解決機制論において本質的である。何故なら,“解決不能”に対する“解決の潜在力はあるがそれの発揮の仕方がわかっていない”という解釈(理解の仕方)は,極めて独特だからである。この解釈は,“問題は〈処理手続き〉によって解かれる”という解釈の裏返しである。その発想の元には,
しかし問題解決機制論の現状は,“どんな行動をすべきかが直ちにはわからない”ということの機制がブラックボックスにされている,というものである(註2)。そしてこれが,問題解決機制論が踏み出す最初の一歩である。 (註1) (b) は,問題解決能力形成論において論点になる。──実際,問題解決能力形成論は,“解釈の潜在力もない”状態から“解決の潜在力はあるがそれの発揮の仕方がわかっていない”状態への移行を論ずる論考である。 (註2) 実際,AIでは,問題はコンピュータにインプットされるのであり,問題との対峙という局面を省略している。 |