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 おわりに



 「本物」の指導とは,「形」指導のことである。したがって,教科教育は本来「形」指導を実現できているものでなければならない。しかし,数学教育の現実はそうではない。わたしはこの原因をこれまでの教授/学習メディアの「貧しさ/弱さ」と見て,現在進行中の「メディア革命」に「形」指導の勝算を見ようとしている。

 本論考では“「メディア革命」に「形」指導の勝算を見る”ということの意味を詳しくは述べなかった。それは,本書の紙数の都合もあるが,既に本教科教育学研究図書の前巻(第4巻)「子どもとコミュニケーション──新たな教科教育の展開」において「マルチメディアと数学教育──コミュニケーションテクノロジーによるブレイクスルー」と題して「メディア革命」の数学教育に対する意義を論じているからである。読者が本テーマに関心を持たれ前巻にもあたっていただけるならば,わたしにとって幸いである。

 さて,もはや実践あるのみである。本書の新たな巻ではぜひとも「実践報告」という形で登場したいものである。

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