x,y
 
 の間の関係x≦yを,ある整数n≧0 に対してfn(x)=yとなることと定義する。また,x<yを,x≦yかつx≠yのことと定義する。
	
 ≦は, 
 の上の順序関係──実際には,全順序関係──になる(註))。
	
 なお,“入れ篭型”の自然数系列では,
	
x<y 
 x
y
	
である。
	
 (註) 順序関係とは,以下の条件で定義される関係≦のこと:
	
 1°x≦x         (反射法則);
	
 2°x≦yかつy≦xならばx=y
	
              (反対称法則);
	
 3°x≦yかつy≦zならばx≦z
	
              (推移法則).
	
さらに,条件
	
 4°任意のx,yに対し,x≦yあるいはy≦x
	
              (比較可能)
	
が加わった順序関係は,特に全順序関係,あるいは線形順序関係,と呼ばれる。
	
  
 の要素に対してここで定義した≦が全順序関係であることの証明は,つぎのようになる(証明の中の“+”や“−”は,証明の言語(“メタ言語")に属する):
	
 f0(x)=xより,x≦x。
	
 fm(x)=yかつfn(y)=xのとき,fm+n(x)=x。もしm+n≠0 であれば,f1(x),・・・・,fm+m(x)=xのどれかが1。しかしこのときには,f(w)=1となる 
 の要素wが存在することになり, 
 の条件1°に反する。したがって,m+n=0,即ちm=n=0。結局,x=y。
	
 fm(x)=yかつfn(y)=zのとき,fm+n(x)=z,よって,x≦z。
	
  
 はfn(1)(n≧0)の全体と一致する。一方m≦nのとき,fn-m(fm(1))=fn(1) より,,fm(1)≦fn(1)。