先ず,“タスク環境”の概念を導入する。 つぎに,問題の受容として,タスク環境の内的表象が問題解決主体の中につくられるとする。この内的表象は,既に内的表象として存在している“方法(ストラティジー)”とともに,“問題空間 problem space”を構成する。問題空間は,謂わば問題解決プログラムのデータ部を構成する。 最後に,問題解決を, こうして,問題解決は“問題空間の中の探索”として表現されるものになる。即ち,《ストラティジーの選択とそれの適用》により,所与の問題に対応する表象が次第に解に対応する表象に変化していく,という図式である(註2)。 この探索は,ストラティジーが適用される表象をノードとし,ストラティジーを選択肢とする木 tree で表現される。 (註1) Newell and Simon,1972 における“問題解決”の定式化では,実際多くのことが曖昧なままにされている。その定式化は,論理的というよりは,むしろ非常に感覚的である。 (註2) この発想の元には,H.A.Simon の意志決定理論がある:
(Winograd and Flores,1986,pp.33,34) |