5.2 問題解決能力形成の機制の説明不能


     合理主義的オリエンテーションの下では,問題解決能力と所有ストラティジーの同一視により,問題解決能力の形成はストラティジーの形成と同一視される。

     さらに,ストラティジーは手続き的な内的表象として理解される。したがって,問題解決能力形成機制論は,手続き的内的表象の形成の機制についての論考ということになる。

     しかし,この機制の主題化は純粋に理論的なものである。即ち,主題は立つが,この主題にアプローチする術をわれわれは持たない。

     合理主義的オリエンテーション下の“内部の視点”では,この不能は主題の難しさに帰せられる。“外部の視点”では,擬似問題ということで,この主題の解消がなされる。