3.2 合理主義,理性主義に対して



プラグマチティストが反対する考え方


プラグマティストの考え方

“客観的真理”,“実在との対応”,“方法 ”,“規準”等が“合理性”を説明する。合理性とは,規準的合理性のこと。 “合理的”とは,“正気の”とか“分別のある”という意味の言葉。
合理性とは,市民的教養性(civility)のこと。
生得的合理性と文化的適応の産物とを区別する。
永遠の理性真理と一時的な事実真理を区別する。
歴史主義,反普遍主義:
何が合理的であり,何が狂信的であるかは,ある集団に対して相対的にしか決まらない。
われわれの出発点は,歴史的出来事でしかない。
われわれは徹頭徹尾,中心のないものとして,歴史的偶然として,自我を見ることができる。
人間に自然本性的中心が存在していることから,普遍的合意は可能である。
啓蒙主義──自然や理性に訴えて,自分自身を伝統と歴史から解放する。
人間は中心のない信念と願望の網目であり,その語彙と意見は歴史的状況によって決定される。
そうした二つの網目の間には十分重なり合うところがない。特に,普遍的合意の可能性はない。
政治理論の諸目的を達成するには,歴史に優先し先行するような本質をもつものとして自分自身を捉える必要がある。 独立した形而上学的,道徳的秩序に関する真理を探究するものである限り,哲学は,民主社会における政治的正義観念の有効な共通基盤を提供することができない。
公の秩序について熟考し,政治制度を確立する場合には,哲学的探究の多くの標準的話題を括弧に入れる必要がある──《同じ話題について,よりよい哲学的見解を形成する》のではなく,《これらの話題を快く無視する》こと。