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教員養成課程教科教育コースの競争力:
「情報デザイン能力育成」
作成: 2004-01-15
修正: 2004-01-15
競争力とは,自分が扱っている商品の競争力のことだ。学校の場合,「商品」には二つの意味がある:
学生に対する「商品」としての「教育」 (品質を測るのは「学生満足」)
社会に対する「商品」としての「卒業学生」(品質を測るのは「社会満足」)
教員養成では,後者を主にする。実際,「学生満足」を「社会満足」に適合する形に導く(すなわち,「社会満足に向かって自分が成長している」が「学生満足」の内容になるように導く)ことが,教員養成では必要になる。
さて,この場合の「社会満足」に対応する「商品力」だが,これの中心はあくまでも教科に対する専門性でなければならない。教科教育は専門教育である。
教科教育での「専門性」の内容は,つぎのようになる:
教科の各主題に対する確かな理解
各主題につき,それの教授力
ただし,主題理解は指導の必要条件なので,前者は後者の含意とみなせる。したがって,「専門性」は「教授力」にシフトされる。
教科の主題の教授は,情報をひとが受容できる形にデザインする行為 ─「情報デザイン」─ と見なせる ([1], [7])。「教授」を「情報デザイン」に置き換えることは,「教授」が操作的に見られるという意味がある。すなわち,「教授」の品質を,教授の各局面での「情報デザイン」の品質という具体的な形で問えるようになる。
そこで,教員養成課程教科教育コースは,「教科を教授できる主体を育成するコース」として,情報デザイン能力を育成するコースということになる。そしてこれより(ここの議論を遡って),「情報デザイン能力育成」の品質が,教員養成課程教科教育コースの競争力の中心にあることになる。