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教授/学習メディアとテクノロジー
教授/学習メディアの開発が今後の課題だという言い方をすると,そんなことはこれまでもしていることだという反論が出てくるかも知れません。しかしここで問題にしているのは,程度と質であり,それを可能にするテクノロジーです。
数学の思考をビジュアル・シンキングとして考えてみましょう。それは時系列にのっています。したがって,これに対応するビジュアル・メディアはアニメーションということになります。さらにこのアニメーションには,分析と総合の間を行ったり来たりするとか,中断したり,元の場面に戻ったり,場面を跳ばしたりするとかが,求められます。
このようなメディアは,少なくともパーソナルなメディアとしては,これまでのテクノロジーでは実現不可能でした。しかしパーソナル・コンピュータの高機能化が進んでいる現在,勝算が立つようになってきました。
新しい教授/学習メディアは,欲しいと思って手に入るものではありません。それを可能にするテクノロジーが必要です。そしてわたしたちはそのようなテクノロジーを手にしつつあります。わたしの考えでは,いまの危機的な数学教育に活路を与えるのはハイレベルのテクノロジーです。旧い道具に寄り掛かった名人芸ではありません。