Up なぜ 「共変・反変」の説明から始めるのか 作成: 2018-02-08
更新: 2018-02-08


    本題の「テンソル」に入る前に,「共変・反変」をやっておかねばならない。

    テンソルは,線型代数の計算で組み上がっている計算式である。
    線型代数の計算が,テンソルのモジュールというわけである。

    この線型代数の計算は,行列の計算である。
    行列の変項記号には,添字がつく。
    そして添字が付く場所に,上下の別がある。
    上付きには「反変」,下付きには「共変」の意味がある。

    上下の使い分けは,ゆるがせにできないふうになっている。
    これは,上下のルールがわからねば,話にならないということである。

    一方,「テンソル」のテクストは,たいてい「後で説明する」のやり方をとる。
    学習者は「そのうちきちんと説明されるのだろう」と思ってテクストについていくのだが,一向に説明されない。
    「意味を問うな,慣れよ!」というわけである。
    しかしこの場合,学習者はずっとモヤモヤしたままである。

    そこで本テクストは,「モヤモヤのもとを最初にやっつけておく」の構成をとることにする。