小学数学では,「タテ × ヨコ = 面積」を「公式」として覚えるふうになっている。
ところで,この言い回しを「公式」にするということは,「単位は何でもあり」にしているということである。
したがって,これを「公式」として使えるということには,「単位は何でもあり」の意味を知っているということが含まれる。
さて,「単位は何でもあり」の意味は?
「単位は何でもあり」の意味は,つぎの通りである:
《ある長さの単位で「タテ×ヨコ」が同じになる長方形同士は,
どんな長さの単位でも「タテ×ヨコ」が同じになる》
例えば,
タテの長さの単位:\({\bf L}_1\)
ヨコの長さの単位:\({\bf L}_2\)
に対し,
\[
\xi^1 \,{\bf L}_1 \otimes \xi^2 \,{\bf L}_2
= \eta^1 \,{\bf L}_1 \otimes \eta^2 \,{\bf L}_2
\]
であったとする。
ここで,別の単位をとる:
タテの長さの単位:\({\bf L'}_1\)
ヨコの長さの単位:\({\bf L'}_2\)
そして,この単位に対して,つぎのようになるとする:
\[
\xi^1 \,{\bf L}_1 = \xi'^1 \,{\bf L'}_1
\quad
\xi^2 \,{\bf L}_2 = \xi'^2 \,{\bf L'}_2
\\
\eta^1 \,{\bf L}_1 = \eta'^1 \,{\bf L'}_1
\quad
\eta^2 \,{\bf L}_2 = \eta'^2 \,{\bf L'}_2
\]
「単位は何でもあり」とは,この場合つぎが成り立つということである:
\[
\xi'^1 \,{\bf L'}_1 \otimes \xi'^2 \,{\bf L'}_2
= \eta'^1 \,{\bf L'}_1 \otimes \eta'^2 \,{\bf L'}_2
\]
そして,実際これは成り立つ:
\[
\begin{align*}
& \xi'^1 \,{\bf L'}_1 \otimes \xi'^2 \,{\bf L'}_2
\\=\ & \xi^1 \,{\bf L}_1 \otimes \xi^2 \,{\bf L}_2
\\=\ & \eta^1 \,{\bf L}_1 \otimes \eta^2 \,{\bf L}_2
\\=\ & \eta'^1 \,{\bf L'}_1 \otimes \eta'^2 \,{\bf L'}_2
\end{align*}
\]
|