Up 量計算の考えはテンソルの考えへ 作成: 2017-12-10
更新: 2017-12-12


    「テンソル」に対する「ベクトルの概念の拡張」の位置づけは,ミスリーディングである。
    実際,「テンソル」は,対象概念にしてしまうと,意味を失う。
    数学はこれをやっている。

    「テンソル」は,意味としては「量の計算公式を立てたりこれを使ったりしているときの舞台・道具立て」である。
    「テンソル」の意味を求めるなら,求める先は数学ではなく,物理学や工学ということになる。
    実際,物理学・工学は,「公式」(「○○法則」「○○方程式」) が成果である。


    「計算公式」は,いろいろな量の値 (スカラー) を組み合わせて計算する式になっている。
    この計算式を関数として表現しようとすると,始集合・終集合はいろいろな量を「\( \otimes \)」でつないで一括りにしたものになる。
    また,計算は,いろいろな量の値 (スカラー) の一括りを上手にほぐしていく作業である。

    量計算を仕事にすれば,「量の一括り」「量の値 (スカラー) の一括り」の考えを自然にもつことになる。
    そして量はベクトルであるから,「量の一括り」「量の値 (スカラー) の一括り」を概念化すれば「テンソル」になる。