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単位セットのシステム化
単位セットは,「位上げ(位上がり)」の規則でシステム化されていると,使い勝手がよくなります。
ここで「単位のシステム化」とは,
ある自然数nを固定して,《各単位につきそれのn倍が別の単位になる》ように単位セットを整備する
ことであるとします。即ち,
- ある単位Uの上位単位は,Uのn倍
- ある単位Uの下位単位は,それのn倍がUとなるもの
という規則にしたがって単位セットをつくることです。
システム化されている単位セットでは,《測定値を最も小さくするような単位の選択》に失敗しても,「位上げ」の操作/計算によって一意的組合せ表現に到達できます。逆に,システム化されていない単位セットでは,《測定値を最も小さくするような単位の選択》に一度誤れば,それまでの結果はフイになります。最初からやり直さねばならなくなります。
例えば,
小コップ10杯<大コップ1杯
の関係にある大コップ,小コップを用いての容積測定を考えるとしましょう。いま,大コップ1杯はあるまいと見込んで小コップではかったところ,10杯を越えてしまったとします。一意的組合せ表現を得るためには,はじめからやり直さねばなりません。しかし,
小コップ10杯=大コップ1杯
の関係にあれば,この測定をそのまま継続できます。
既存の単位が《ある単位いくつで別の単位》のようになっていないときには,単位のシステム化は単位の抜本的な取り直しを意味することになります。ただし,既存の単位を完全に捨てる(例えば,メートル法への移行)ことはしない方法として,既存の単位に若干の修正を加えてこれをシステム化にのせていくということはできますし,また現実的です。