11.1 量測定の実践



 測定は実践である。それは,
  1. 〈単位〉を定め,
  2. 測定値としての〈数〉を求め,そして
  3. 《単位×数》をひとに受容される形式で記述する
ことを内容とする。

 理論においては,量に対する《単位×数》の表現は約束されている。理論の中にこの約束が含まれているのである。しかし,実践では,このような表現に到達する保証はない。実践では,表現はつねに結果論である。

 表現を可能性として先取することもできない。実践の中では,《表現の可能性》さえも,保証のない(即ち,裏切られるかも知れない)幻想なのである。