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「比例定数」から「行列」へ
(
u
1
,・・・・,
u
m
),(
v
1
,・・・・,
v
n
)がそれぞれ線型空間(
D
,
K
),(
D
',
K
)の基底であるとき,線型写像
f
:
D
─→
D
'は
f
(
u
i
) (i=1,・・・・,m)
で決まってしまいます
(註)
。そこでさらに
f
(
u
i
) =
v
1
×
α
i1
+ ・・・・ +
v
n
×
α
in
(i=1,・・・・,m)
のように表わすと,係数
α
ij
(i=1,・・・,m;j=1,・・・,n)
が
f
を決定するものになります。わたしたちは係数α
ij
の組を行列
の形に書いて,これを
f
の表現──“表現行列”──として用いています。
“線型写像”が“比例関数”の概念の拡張であるのに対応して,“表現行列”は,“比例定数”の概念の拡張です。 ── 実際,“1次元実線型空間から1次元実線型空間への線型写像”である“比例関数”の表現行列は(1×1) 行列になりますが,これの(唯一の)要素が“比例定数”です。
線型写像の合成は表現行列の積の計算によって求めることができますが,このときの行列の積は,比例定数の積とつぎのように対応しています:
(註)
実際,
D
の元は
u
1
×
ξ
1
+ ・・・・ +
u
m
×
ξ
m
の形に書けて,さらに線型写像の条件から
f
(
u
1
×
ξ
1
+ ・・・・ +
u
m
×
ξ
m
) =
f
(
u
1
)
×
ξ
1
+ ・・・・ +
f
(
u
m
)
×
ξ
m
。