1.0 イントロ
“数/量とは何か?”と改めて問われれば,大人でも答えに窮する。本章では,この問いの答えになるものを,概略的に述べる。
この問いに対しては,先ず存在論で応ずることになる。実際,数/量は“これが数/量だ”という形で答えられる対象性ではない。指し示せるのは数/量の現象であって,数/量そのものではない。
さらに,数/量の現象とはわれわれが“数/量”の読みをしている事象のことである。“数/量”の読みをするわれわれが存在しなければ,数/量の現象も存在しない。
この認識から,“数/量”という読み方(形式)を示すことが“数/量とは何か?”に答えることになる。答えるべきは,数/量形式である。