11.5.3 単位共同体
公的な単位の決定は,〈その共同体において“合理的”な計量(生活実践)〉の決定である。選択された単位は,計量という生活実践──即ち,計器の作成,計量,量表示,量計算──の形態を決定する。選択された単位に応じた生活実践が,そこに展開される。
このように,一つの単位(セット)には,それを単位(セット)として生活に組み入れている共同体の概念が応ずる。この共同体は,行政や経済レベルの共同体とは(現実には一致する場合が多いにしても)原理的に区別される。われわれは,言い回しの簡単のために,この共同体を“単位共同体”と呼ぶことにしよう。