Up 和/加法の定義  


    一般に,数の和は,道具としてつぎのように使われるよう導入されています。すなわち

      数m,nと量

      の関係にあるとき,に対するq+rの比を「m+n」で表す。


(注意: 量の「」と数の「+」を区別すること)
      式で表すと:
n = (m+n)

    特に,量の「」が,数の「+」より先に導入されていることになります。
    「正負の数」の場合だと,「正逆2方向をもつ量」の「が,「正負の数」の「+」より先に導入されていることになるわけです。


    さて,数の「+」のこの用い方を保証する「正負の数」の和は,どのように定義されるものになるでしょう?

    それはつぎのようになります。ただし,数nを「符号つきの自然数/分数」と見たときのその符号を sgn(n),自然数/分数を val(n) で表すことにします。

  1. n+0=0+n=n
  2. m + (ーm) = 0

  3. m,n≠0に対し,

      (1) mとnが同符号のとき,
        sgn(m+n)=sgn(n)
        val(m+n)=val(m)+val(n)

      (2) mとnが異符号でval(m)≦val(n) なら
        sgn(m+n)=sgn(n)
        val(m+n)=val(n)−val(m)



    一般に,数の加法は,数の和が定義されているときの関数:
(m,n) m+n
(「2数にそれらの和を対応させる」)
    として定義されます。「正負の数」の場合もこれにしたがいます。