Up おわりに 作成: 2018-03-10
更新: 2018-03-10


    『「リーマン多様体」とは何か』と題した本テクストは,専ら「地図帳 atlas」の話である。
    なぜか。
    リーマン多様体の地図帳が,「リーマン多様体」の意味だからである。

    この内容は,「リーマン多様体」の一般のテクストには無い内容である。
    実際,本テクストをつくらねばならなかったのは,「リーマン多様体」の意味が書かれているテクストが存在しないためである。

    逆に,「リーマン多様体」の一般のテクストが内容にしているものが,本テクストには無い。
    それらは,個人の興味・関心に応じて入って行けばよい内容だからである。
    これに対し「意味」は,個人の興味・関心に応じて入って行けばよい内容というふうにはならない。


    では,なぜ『「リーマン多様体」とは何か』なのか。
    このテクストは,「相対性理論」へつなげていくためのものである。

    「リーマン多様体」と「相対性理論」は,つぎの関係にある:
    1. 「相対性理論」は, 「リーマン多様体」が現空間の数学モデルになっている。
    2. 「リーマン多様体」の応用は,「相対性理論」が唯一のものである。
    こうして,「リーマン多様体」とは何かをわかっていることが,「相対性理論」を読む上で必要になる。
    翻って,「相対性理論」が読めるとき,「リーマン多様体」もわかっていることになる。