一般相対性理論では,時空の「局所座標系」の存在を仮定する。
これは,時空を可微分多様体として考えることである。
一般性相対理論は,物理法則の不変性を「一般共変性」の規準で立てようとする。
これは,物理法則を,可微分多様体の一種であるリーマン多様体のテンソルに見立てると,巧くいく。
リーマン多様体上で定義される概念のテンソルは,座標変換で不変だからである。
リーマン多様体では,各点 \(\bf x\) に基本計量テンソル \(g_{ij}({\bf x})\) が与えられる:
\[
ds^2 = g_ij\, dx^i\, dx^j
\]
一般性相対理論は,重力場テンソルをこの \(g_{ij}\) に見立てようとする。
局所座標系は,時間座標と空間座標を合わせた4次元である。
そこで,リーマン多様体の次元は4次元が択られる。
局所座標系 \(( x^0, x^1, x^2, x^3 )\) は,つぎのように択る:
時間座標:\(x^0 = ct\)
空間座標:\(x^1 = x,\, x^2 = y,\, x^3 = z\)
そして,この座標系での計量は,つぎのように立てられた (「ミンコフスキー計量 \( {\eta}_ij \)」):
\[
ds^2 = - c^2dt^2 + dx^2 + dy^2 + dz^2
\]
そこで,計量テンソル \(g_{ij}\) は,つぎの条件を充足するものでなければならない:
適当な座標変換により,\(g_{ij}\) はミンコフスキー計量 \( {\eta}_ij \) になる:
\[
g^{tt} = -1, g^{xx} = 1, g^{yy} = 1, g^{zz} = 1
\]
これは,言い換えると,つぎのようになっているということである:
各点 \(\bf x\) で立てた局所座標系は,\(g_{ij}\) でつながる。
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