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単元「三角形と四角形」
(小2, 1998-12-14告示学習指導要領準拠)
主題のとらえ
主題をどうとらえるかで,授業の形が一変する。
三角形と四角形<を>教えるのではなく,三角形と四角形<で>教える。
三角形と四角形<で>教えようとするのは,つぎの数学的行為:
「形の概念を創る」
「形の概念をルールで定める (定義)」
「ルールの適用という方法で,図の形を決定する」
「ルールの適用という方法で,作図する」
指導内容/学習活動
図の類別を通して,「形の概念を創る」
三角形と四角形 (あるいはさらに他の形) の図を複数示し,形の類別 (「仲間分け」) を行わせる。
自分の行った仲間分けを発表させ,その理由を述べさせる。
理由付けと仲間分けの対応を,全員で確認する(それぞれ「一理ある」ことの確認)
算数科で用いる仲間分けの観点として,「直線で囲まれている」「その直線の数」を導入する。
この見方を用いて,改めて与えられた図の類別を行う。 (→ 三角形と四角形に類別される)
「三角形」「四角形」の名を導入する。
「形の概念をルールで定める (定義)」
「三[四]角形」を,「3[4]つの直線で囲まれる」というルールで定める。
「ルールの適用という方法で,図の形を決定する」
「3[4]つの直線で囲まれる」と見なした図形に対しては,「三[四]角形」と呼ぶ。
「三[四]角形」に近い形でも,「3[4]つの直線で囲まれる」と見なせなければ,「三[四]角形」と呼ばない。
曲線を含む図形,直線が閉じていない図形を,反例として用いる。
この活動を通して,「三[四]角形」を定めているルールの意味が知られるようにする。
「ルールの適用という方法で,図の形を決定する」
「3[4]つの直線で囲まれる」図を実現するという意識で,「三[四]角形」を作図する。
この活動を通して,「三[四]角形」を定めているルールの意味が知られるようにする。
留意点
図の類別を通して,「形の概念を創る」
つぎのような指導に陥りやすい──この指導は間違い:
「三角形と四角形に図を類別することが正しくて,そうでないのは間違い。」
三角形と四角形への類別は,いろいろある類別の仕方の一つ。(実際,日常生活の感覚では,むしろ不自然な類別。)
授業では,仲間分けの方法・理由付けがいろいろあることを認識させる。
生徒からいろいろ出てくるように,授業を設計する。
「形の概念をルールで定める (定義)」
「ルールの適用という方法で,図の形を決定する」
「ルールの適用という方法で,図の形を決定する」
「三[四]角形」を知るとは,「三[四]角形」でないものを併せて知るということ。
「三[四]角形」でないものを,反例として大事に扱う。
ルールの意味,ルールがどのように効くかは,簡単にはアタマ/カラダに入らない。
いろいろな例を使い,十分に活動させる。