Up 結論から :「かけ算には順序がある」が正しい  


    「かけ算の順序」の数学は単純であるから,最初にこれを示しておく:

    1.「2個の3個は何個?
      立式は,「2×3」であり「3×2」ではない。


    2.「2mの3倍は何m?
      立式は,「2×3」であり「3×2」ではない。


    このように,つぎが「文章題から数の積の式を立てる」のプロセスになる:
    1. 文章題を,「量の倍」の問題に読む。
    2. 「量の倍」を,「単位の倍の倍」に分析する。
    3. 数の「×」の文法にしたがって,「単位の倍の倍」から数の積の式を導く。

    3.「タテ2cm,ヨコ3cm の長方形の面積は何 cm2

      この問題は,「単位の倍の倍」のつくり方が2つある:
      「2倍の3倍」では,立式は「2×3」であり「3×2」ではない。
      「3倍の2倍」では,立式は「3×2」であり「2×3」ではない。

    「かけ算の順序」論議/論争は,延々と終わらない。 それは,「文章題から数の積の式を導く」のプロセスを,数学で考えられないためである。
    このプロセスを,もう一度記しておく:
    1. 文章題を,「量の倍」の問題に読む。
    2. 「量の倍」を,「単位の倍の倍」に分析する。
    3. 数の「×」の文法にしたがって,「単位の倍の倍」から数の積の式を導く。

    「かけ算の順序」論議/論争は,《文章題から「単位の倍の倍」を導く》の考えをもたない。 そのかわりに,非数学のモンスター論理が様々に展開される。
    実際,「単位の倍の倍」が一旦立てられれば,数学を知っている者なら,これを数の積の式に還元する推論は一意になる。 特に,かけ算の順序は一意に決まる

    以上のように,「かけ算には順序がある」「かけ算には順序がない」では,「かけ算には順序がある」が正しい