Up 要 旨  


    「数は量の抽象」は,没論理である。
    論理矛楯がこれの不具合であるから,不具合はやり過ごすしかない。
    すなわち,パッチをあてるようにやり過ごす。
    「比の3用法」や「形式不易の原理」は,パッチである。

    しかしそれでも,教育現場には,数は量の比」ではなく,「数は量の抽象」の方がすんなり入る。 ──「数は量の比」は「難しくてダメ」になる。
    こうして学校数学は,「数は量の抽象」の荒唐無稽を数学として「教える」ところとなる。

    没論理を数学として「教える」わけだから,授業はぐちゃぐちゃな内容になる。
    これが,学校数学が「数は量の抽象」を択ったことのリターンである。

    学校数学は自分では意識していないかも知れないが,ここではつぎが問題になっている:

      どちらがマシか:
        「数は量の抽象」のリターン
        「数は量の比」の内容の難さ

    そして,「難しくてダメ」にしても,これはつぎのように改めて問題にされるべきことがらである:

      「数は量の抽象」でカラダをつくってしまった教員だからなのか?
        それとも,これから新しく学ぶ生徒にとっても同様か?