教育工学は,教育を工学しようとする。
これの基本的な考え方はつぎのようになる:
- 教育に対し,関数 (インプット対アウトプット) の解釈をする。
(例えば,「教師がこのように働きかけると,生徒がこのように変容する」ととらえるのは,教師の働きかけをインプット,生徒の変容をアウトプットに見立てた関数の解釈になる。)
- この関数は複雑なものであるが,原理的には,
- 要素的な関数
- 関数の組み合わせ → モジュール (これまた一つの関数)
の考えを用いて構成することができる。
- 要素的な関数には,行動主義の S-R 連合みたいなものがなる。
そして,教育を関数として構成しようとするそのココロは,「何をすればよい結果が得られるか,がわかるようになる」である。
容易に見てとれるように,教育工学の方法論ではつぎの2つが根本的な問題点になる:
- 現実の教育をこの方法により構造化しようとする作業は,途方もないものになる(註)。
- 現実の教育を関数として構成したとしても,その関数は複雑過ぎて,「何をすればよい結果が得られるか」を求められない。
註 : |
しかし,途方もないということは,ずっと研究的立場を保てるということでもある。
よって,教育工学は存外研究の棲みやすいところとなる。
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