Up 教育工学の方法論 作成: 2007-10-11
更新: 2007-10-11


    教育工学は,教育を工学しようとする。
    これの基本的な考え方はつぎのようになる:

    1. 教育に対し,関数 (インプット対アウトプット) の解釈をする。
      (例えば,「教師がこのように働きかけると,生徒がこのように変容する」ととらえるのは,教師の働きかけをインプット,生徒の変容をアウトプットに見立てた関数の解釈になる。)
    2. この関数は複雑なものであるが,原理的には,
      1. 要素的な関数
      2. 関数の組み合わせ → モジュール (これまた一つの関数)
      の考えを用いて構成することができる。
    3. 要素的な関数には,行動主義の S-R 連合みたいなものがなる。

    そして,教育を関数として構成しようとするそのココロは,「何をすればよい結果が得られるか,がわかるようになる」である。


    容易に見てとれるように,教育工学の方法論ではつぎの2つが根本的な問題点になる:

    • 現実の教育をこの方法により構造化しようとする作業は,途方もないものになる(註)
    • 現実の教育を関数として構成したとしても,その関数は複雑過ぎて,「何をすればよい結果が得られるか」を求められない。

      註 : しかし,途方もないということは,ずっと研究的立場を保てるということでもある。 よって,教育工学は存外研究の棲みやすいところとなる。