Up | メソッドの射程/分限 | 作成: 2007-10-07 更新: 2007-10-10 |
しかし,「奇跡」には,それが棲める場所と失せる場所がある。 「教科書を教える」──ただし,小学校高学年より下の算数で──は,この場合の「奇跡」が棲める場所である。 TOSS サイトの「算数・数学」のトップページでは,「平均点90点以上」が「奇跡」の内容として謳われている。 「奇跡」の失せる場所は,学習内容が難しくなっていく学年や,「問題解決指導」が守備しようとしている領域みたいなところである。
例えば,小学校高学年の数量計算では,「教科書を教える」がかえって教授/学習のつまずきになる。 なぜなら,教科書の内容が,論理的にぐちゃぐちゃになっているからだ。 ──筋道立てて内容を理解しようとすればするほど,わけがわからなくなる。 (論理的におかしいことを論理的に読もうとすれば,当然こうなる。) 「論理的にぐちゃぐちゃ」の理由は:
(「数は量の抽象」論の荒唐無稽──その原因) そしてこれと合わさって,「ウソも方便」を重ねてきた。 実際,学校現場では,最後はつぎのような調子で切り抜けている:
「はやさの問題は,<はじき>で解く」 「筋道は考えずに,結果を覚える」 「論理は考えずに,答えの出し方を覚える」 |