Up 「専門性」の表現を「指導・改革」にする 作成: 2017-08-30
更新: 2017-08-30


    数学教育学者は,数学教育の専門家と世間から見なされる。
    数学教育学者は,世間のこの見方に応える者でなければならない。
    彼らは,「数学教育の専門家」を務める。

    世間は,「専門家」に「助言者・指導者」の役回りを求める。
    数学教育学者は,自分の生業上,世間のこの要求に応えねばならない。
    彼らは,「助言者・指導者」を務めることになる。

    「助言者・指導者」の務めは,習い性になる。
    このとき彼らは「改革 (世直し)」を語る者になる。
    数学教育学者は,「専門性」を「指導・改革」に表現する者になっていく。
    並行して,「専門性」の元来の表現である「科学する」を,閑却していく。

    この状況で「数学教育学」に入ってくる者は,「専門性」の意味が「科学する」であることを(はな)から知らない者になる。
    「指導・改革」を研究スタイルにする者に,最初からなる。

    「科学する」の閑却は,ポジティブフィードバック・ループになるというわけである。
    「科学する」の閑却は,強化される。