- つぎの課題を考える:
「経過時間に対する速度の変化からの移動距離変化を求める」
経過時間tにおける速度vt が示されているグラフから,
経過時間tにおける移動距離 St を示すグラフを導く。 |
この解決の考え方は:
- 等速度運動であれば,小学算数の知識で移動距離を求めることができる。
等速度ではないので,問題になっている。
- 時間を区切ってその間を等速運動に近似 (=速度の変化のグラフを階段グラフに近似) すると,移動距離変化のグラフの近似が得られる。
- 時間の区分を細かくすることによって,移動距離変化のグラフのよりよい近似が得られる。
予想:
「時間の区分を細かくしていくと,
移動距離変化のグラフがひとつの形に収束する」
- 階段グラフに近似し,これに対する移動距離変化のグラフを求める計算を文字式に表せば,これは「区分求積」の概念に一般化される。
- 階段関数への近似と,これに対する移動距離 St の計算式を,文字式で表す:
St
= v1·Δt1
+ v2·Δt2
+ ‥‥ + vn·Δtn
( t = t1
+ t2
+ ‥‥ + tn )
- ∑ (シグマ) の記号法を導入する:
v1·Δt1
+ v2·Δt2
+ ‥‥ + vn·Δtn
=
|
n ∑ k=1
|
vk·Δtk
|
- 「時間の区分を細かくする」の極限を,式に表す。
(これは「積分」の概念に一般化される)
|