Up 恒真式,恒等式  


    真理値が真の命題を,「恒真命題」と呼びます。
    関係式は,命題の一つの形です。
    真理値が真の関係式を,「恒真式」と呼びます。

    等式・不等式は,関係式の一つの形です。
    等式の形の恒真式には,「恒等式」の呼び名が用意されています。
    不等式の形の恒真式については,「恒等式」のような特別な呼び名はつくられていません。(これは習慣の問題で,数学の問題ではありません。)

    「恒等式」に対立する類は,「"真理値が真" を言えない等式」です。
    「"真理値が真" を言えない」には, 「真理値が偽」と「真理値が定まらない」の2通りがあります。

    つぎは,「恒等式」と「"真理値が真" を言えない等式」(「真理値が偽」と「真理値が定まらない」) の例です:

      変項記号を含まない  変項記号を含む 

      恒等式 2+3=6ー1 a+a=a×2
      "真理値が真"
       を言えない
      真理値が偽 2+3=5ー1 a+1=a+2
      真理値不定 (なし) a+a=b×2

      註 : 「<変項記号を含む>場合に限って"恒等式" のことばを使う」という立場もあり得ます。 (これは習慣の問題で,数学の問題ではありません。)