Up | ユークリッド幾何学の公理 |
この規則のうちには,「既に結論されていることでなければ,推論で根拠として使ってはならない」があります。 このとき,「根拠の溯行」ということが起こります。 根拠の溯行は,どこかで止まらねばなりません。 ユークリッド幾何学は,これ以上は溯行できない<成り立つこと>として,つぎの5つを定めています (「公準」と呼ばれます):
公準の第5番目の P5 (「第5公準」) は,いわくつきのものです。 これは,他の4つと比べて,内容が際立って複雑です。そこで,他の4つから導かれるのでないかと思れてきます。実際そう思った人たちが,第5公準を導き出すことに挑戦してきました。 しかし,この挑戦はもともと勝ち目のないものでした。 すなわち,第5公準は,やはり他の4つの公準から独立したものでした。 それは,「非ユークリッド幾何学を構築できる」という形で示されました。 ( 非ユークリッド幾何学) 第5公準は,初心者にはわかりにくい表現になっています。 つぎは第5公準と置き換えてもよいものになりますが(註2),これらの方がわかりやすいでしょう:
1つあって,ただ1つに限る B:三角形の内角の和は2直角 C:つぎの2直線は,交わらない。
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