「線型写像」は,幾何学的に解釈することもできて,このときそれは
ということになります:
平面PとQの上に同じ図形Aがある。
この二つのAを視る。
- つぎの条件で二つのAを見る:
このときの二つのAのいろいろな見え方を,互いに同形と考える。
そして,この同形を「合同」と呼ぶ。
- つぎに,条件 a だけにしたときの二つのAのいろいろな見え方を,互いに同形と考える。
そして,この同形を「相似」と呼ぶ。
- さらに,条件 a もなくしたときの二つのAのいろいろな見え方を,互いに同形と考える。
3番目の同形に対しては,「合同・相似」のような呼び名は特にありません。
この同形は,「線型空間の2つの部分集合の間の同型」にあたります。
そして,「線型写像」を使って数学的に定式化することになります。
この数学的定式化では,同型対応のイメージがつぎのようになります:
註 : |
厳密には,この場合「アフィン空間」の概念を導入する必要があります。
実際,線型空間の要素は「ベクトル」であって,図形の要素となる「点」ではありません。「点」を要素とする空間は,アフィン空間ということになります。
しかし,アフィン空間の導入は,話を複雑にしてしまいます。よって,アフィン空間と線型空間を一緒くたにしてしまう「方便」を,ここでは用いることにします。
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