- 「測定」は,量(大きさ) の表現法の一つです。
- 量(大きさ)の表現には目的があり,そしてその目的に適した表現形態が選ばれます。
目的は色々であり,したがって表現形態も色々です。
- 〈量表現〉では,〈記述〉と〈実現〉の二形態を区別することができます。
- 「測定」は〈記述〉です。
- 〈実現〉とは,量を何かに現象させること──その現象を捉えることが量を捉えることであるような,そういう現象に表わすことです。
例:「量の視覚化」( →「見てわかった」のような気分に)
- 〈量表現〉には,《身近な量への引き寄せ (特に,等置)》というのもあります。
そして.《身近な量への引き寄せ》にも,〈記述〉と〈実現〉の二形態があります。
知らせようとする量を既知の/身近な量に引き寄せて捉え易い/身近なものにする。
- 《身近な量への引き寄せ》のいろいろ:
- 既知の/身近な量と等置する
- 《既知の/身近な量いくつ分》で表わす
「その部屋の広さは,この部屋の広さの3倍くらい」
「その部屋の広さは 16畳」
- 既知の/身近な量と比較する
「その部屋は,この部屋より小さい」
「その部屋は,この部屋よりずっと大きい」
- 「測定」は,身近な単位に対して「単位の何倍」という形で記述する場合は,《身近な量への引き寄せ》です。
- さらに,基準として用いている既知の/身近な量を明示しなくとも足りるような場合もあります。
即ち,「大きい」,「小さい」のようなことばだけで済ませられるような。
- 物の重さを知ろうとしてそれを持ち上げてみるというのも,量表現です──実際,この行為の意味は,重さを自分の感覚に表現するということです。