Up 量表現 作成: 2007-05-03
更新: 2007-05-03


    2量の比を表すためにつくられた数は,量を表す道具になります。

    実際,つぎは「左辺の量の 3/2 倍が右辺の量」の図ですが,これは「左辺の量をもとにして右辺の量を表わす」ものになっています:


    特に,左辺の量に例えば「A」の名前を与えれば,右辺の量は「3/2A」と表現できます。

    名前をつけられるなど<もとにする量>に特化された量は,「単位」と呼ばれます。


    わたしたちが日常的に使う量表現は,この方法でつくられています。
    たとえば「5m(メートル)」「11.8秒」「55kg(キログラム)」は,それぞれ「mの5倍の長さ」「秒の11.8倍の時間」「kg の55倍の重さ」の意味です。


    ちなみに,「<もとにする量>に特化された量」の意味で「単位」を理解している人は,きわめて稀です。 すなわち,多くのひとが,単位がそれ自体一つの量であるというようには受けとっていません。
    実際,「m(メートル)」「秒」「kg(キログラム)」と言えず「1m」「1秒」「1kg」と言わないと落ち着かないのは,「m」「秒」「kg」を特定の量の名前と思っていないからです。