Up | 商の意味 (記号「÷」の文法) | 作成: 2007-05-03 更新: 2007-05-04 |
すなわち,つぎの式を満たす数「?」を「n÷ m」と書くということです:
自然数,分数,正負の数,複素数では,積の可換性が成り立ちますので,「?」は同じになります。 よって,商「n÷ m」を導入してよいことになります。
なお,「n÷ m を導入できる」ということは,「n÷ m が存在する」ということとは別問題です。 例えば自然数で,「2 ÷ 3」は意味 (「3と掛けて2になる数」) を持ちますが,これで表される自然数は存在しません。
「商」の意味 (記号「÷」の文法) は,以上述べたことですべてです。 特に,「÷」には「分ける」といった力仕事の意味はありません。(分数や複素数の場合を考えれば,このことは簡単に了解されるでしょう。) 「÷」に対して「分ける」を意味として感じてしまうのは,小学算数のところで「分ける問題に対して商の式を立てる」が訓練され,その中で道具 (数,商の式) とそれの応用対象 (分ける問題) を混同する習慣をつけられてしまったからです。 |