Up 実数の登場 作成: 2007-05-02
更新: 2007-05-02


    先に,「<部分のある量>を扱いたいということで,分数がつくられる」と言いました。 しかしこのとき,つぎの数学的事実にぶつかります:

      <部分のある量>の比のうちには,分数 (自然数2つ) では表現できないものがある。

    中学数学で扱える内容としては,つぎの線分の長さの比が「分数で表現できない」ものになります:


      (右は正方形の対角線で,正方形の辺は左の線分と同じ長さ)


    そこでこのような比も扱えるように,分数を拡張することにしました。
    そしてつくられたのが,「実数」です。

    実数を説明しようとすると,かなり専門的な話になります。したがって,ここでは実数に立ち入りません。 ──このテキストでは,つぎのように (曖昧な形で) 受け止めてもらえば,十分です:
      分数で表現できない比も扱えるよう分数を拡張したのが,実数。