Up | はじめに──本テクストについて | 作成: 2010-12-20 更新: 2010-12-20 |
『いろいろ‥‥』『「数とは‥‥』『四元数』では,「数」の意味を押さえました。 数は,量表現・量計算のためにつくられるものであって,「量の比」の表現としてつくられます。 『「量」の数学』では,以上の内容を特に「量」の視点から押さえました。 そして本テクストで,「数と量」と線型代数の近接関係を押さえます。 この近接関係が「数と量」に対する誤解を生むもとになるからです。 本テクストは,つぎの5節で構成されます: 「」の節では,。 2次元方向の大きさを「量」と捉えようとすると,「数」として複素数を用いることになります。 3次元方向の大きさを「量」と捉えようとすると,「数」として四元数を導入することになり,併せて3次元方向の大きさを4次元方向の大きさの「量」の中に埋め込んで扱うことになります。 このように,方向が2次元以上の大きさに対する「量」のとらえは,強力である反面,難しい数を扱うことになるという不自由なところがあります。 「量」というとらえが強力であるとは,任意の量が「単位の何倍」の形に一意的に表現されるということです。 これは,量が「1次元」であるということです。 そしてこの「1次元」の制約を弛めようとするとき,線型空間の登場になります。 「単位」は「基底」に,倍の「数」は「行列」にというふうに,「次元」が導入されます。 |