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さて,この一般化において,「比例関係」はどうなるでしょう? 比例関係は,二つの量の系(例えば,時間と距離)をまたがる関係です。 そしてこれは,対応する量の組を一つ確定すれば,すべての対応が決定してしまう関係でした。 ──例えば,速さは「秒速5m」のように表現されますが,これは時間と距離の対応を一つ (「秒には5m」) 示せば十分だという事実を使っているわけです。 この比例関係の一般化は,「線型写像」になります。 以下,このことを説明します。 比例関係は,「一方が2倍,3倍,・・・・になるとき,もう一方も2倍,3倍,・・・・になる」という関係です。 関数としては,Kが実数体あるいは有理数体であるときの1次元線型空間(D,K),(D',K)に対する関数 f : D ─→ D' というふうになります。 そして,「一方が2倍,3倍,・・・・になるとき,もう一方も2倍,3倍,・・・・になる」の条件は,つぎの式に表現されます:
「単位」は「基底」の概念へと拡張されます。よって,《単位の写る先がわかれば全ての要素の写る先がわかる》は,つぎのものになります:
この条件の追加は,比例関数の自然な拡張を損なうものではありません。 実際,比例関数の場合, 「f(x+y)=f(x)+f(y)」 は「f(x×a)=f(x)×a」の含意になっています:
こうして,「比例関数」の拡張は,条件: f(x+y)=f(x)+f(y)
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