Up 単位の取り替え ←→ 基底変換  


  • 「単位を変えると測定値が変わる」には,「基底を変えるとベクトルの表現が変わる」が対応します。基底の変更は「基底変換」と呼ばれます。
  1. 単位変更の計算
      単位uに対する量xの値が3であるとします。そして,uv ×2 の関係にある単位vを新たにとります。さて,単位vに対する量xの値は?
      つぎのように計算されます:
xu ×3
= (v × 2) ×3
v × (2 × 3)
v × (3 × 2)
  1. 基底変換の計算
      基底 (u1, u2) に対するベクトルxの値が (2, 1.5) であるとします。そして,
u1v1 × 1 + v2 ×(−1)
u2v1 × 2 + v2 × 1
      の関係にある基底 (v1, v2) を新たにとります。さて,基底 (v1, v2) に対するベクトルxの値は?
      つぎのように計算されます:
xu1 × 2 + u2 × 1.5
= (v1 × 1 + v2 × (−1)) × 2 + (v1 × 2 + v2 × 1) × 1.5
v1 × (1×2) + v2 × ((−1)×2) + v1 × (2×1.5) + v2 × (1×1.5)
v1 × (1×2 + 2×1.5) + v2 × ((−1)×2 + 1×1.5)
v1 × (2×1 + 1.5×2) + v2 × (2×(−1) + 1.5×1)

  • 上の結果を,一般的に書いてみます。
  1. 単位変更の計算
      二つの単位 uv に対し
xu ×m = v × ?

uv ×
      であるとき,
m ×a = ?

  1. 基底変換の計算
      二つの基底 (u1, u2),(v1, v2) に対し
xu1 × m1u2 × m2v1 × ?1v2 × ?2

u1v1 × a11v2 × a12
u2v1 × a21v2 × a22
      であるとき,
(*)  m1 × a11 + m2 × a21 = ?1
m1 × a12 + m2 × a22 = ?2
  
  • 特に,基底変換による新しいベクトル表現は,旧基底のベクトルを新基底で表現したときの値で決まってしまいます。すなわち,
a11  a12
a21  a22
    と計算式 (*) で決まります。
    またこれより,上の4つの数の組 (「行列」) が単位換算のときの a に対応していることが,見てとれます。

  • また,新基底に対するベクトル値を求める筆算形式が,つぎのように編み出されます: