2.1 道具性としての“数/量”
“数/量”がわれわれの対象(われわれにとっての存在)になる理由は,生活(世界)におけるこの概念の使用にある。“数/量”の条件は,この使用に足るための条件である。そしてその条件は,“数/量形式"(§3,§6)として述べ得る。
実際,数の道具的使用の諸現象が,数/量形式の概念化の根拠である。
例えば,“系列”としての自然数(形式)の場合,“数える"(計数),“番号を付ける",“識別番号を付ける”といった生活的実践が,これの根拠になっている。自然数の条件はこのような使用に足るための条件であり,実際,この条件がそのまま“系列”という形式の定義(“ペアノの公理")になっている。