5.3 有理数導出までの“数の拡張”方法
──比の系と差の系の導出
自然数以下の“数の構成”は,有理数がゴールの場合には,つぎの二つの生活実践的機能拡張の目的でなされる。一つは,量の自然数比の表現とそれを計算にのせることであり,そしてもう一つは,量の対称化の表現とそれを計算にのせることである。
この拡張は,自然数の系 (,+,×) から出発する“比の系と差の系の導出”になる。
そしてこの拡張は,
のように,RD(=(R)D=(D)R)が終点になって終わる(§4.3.4)。そして,R が分数の系(で表わす),D が整数の系,RD が有理数の系ということになる。
この意味で,整数と“分数”は,二つのパラレルな自然数拡張として,主題になる。