9.3.4 “量の積”の例



  1. 量の系(Q,N)は,それ自身と“量としての数”(N,N)の積と見なせる:

    (Q,N)(QN,N)

    実際,外算法×:Q×N─→Q は複比例関数。

  2. 量の系(Q1,N),(Q2,N)に対し,(Q2,N)は(Q1,N)とHom(Q1,Q2) の積と見なせる。

    (Q1Hom(Q1,Q2),N)(Q2,N)
    実際,関数:
    1×Hom(Q1,Q2) ─→ Q2
      (x,f) f(x)   
    複比例関数。

  3. “長さ",“面積”をそれぞれ量の系(QL,+),(QA,+)と見なすとき,QA はQL とQL の積と見なせる(“面積は長さと長さの積")。実際,長さの対 (x,y) に〈タテの長さx,ヨコの長さyの長方形〉の面積を対応させる関数f:

    L×QL ─→ QA
    は複比例関数。

  4. L は,つぎの手続きのもとで,QL とQL の積と見なせる(“長さは長さと長さの積")。
     即ち,長さuを一つ固定し,そして,与えられた長さx,yに対し長さzをつぎのように定める:


    このとき,関数f:
    L×QL─→QL
    (x,y)
    は複比例関数である。