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位・量の対称化と「正負の数」
生活実践の中では,量あるいは位置(変位)に関する対称性を扱いたくなることがあります。
ここで量の二つの要素 s, t が「対称的」とは,和に関して両者が相殺するということです:
s + t = 0
例:直線上の移動
直線上の移動では,逆方向の移動が考えられます。そして同じ大きさで逆方向の移動に対し,わたしたちは「相殺」という見方をします。
また,二つの位置(変位)P, R の対称性は,「原点(基準)Oに関してSとTは対称」という形でとらえるわけですが,これの意味は,OからSへの移動 s とOからTへの移動 t が互いに対称ということです。
例:直線上の位置
直線上の位置に対しては,「原点(基準)Oに関して対称な位置」という見方が立ちます。
このような対称的な位・量をつくる形式は,「正負の数」の他なりません。──「正負の数」は,「対称的な位・量」を概念化 (対象化) する道具になります。
yの大きさがxの3倍のとき,
xとyが同方向なら,yはxの「+3」倍
xとyが逆方向なら,yはxの「−3」倍
実際,「対称的な位・量」の「対称」のもとになっているのは,「正負の数」におけるつぎの対称性です:
「各要素 n に対し,加法に関してこれを相殺する要素 m が存在する,
すなわち,n + m = 0 となる m が存在する。」