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English
線型変換
同一の線型空間上の線型写像を,線型変換と呼ぶ。線型写像の特殊としての線型変換は,“枠の線型変換"(Ch.4)に対するところの“絵の線型変換”です。
絵の線型変換も枠の線型変換も,座標変換:
(ξ
1
,・・・・,ξ
n
)
(η
1
,・・・・,η
n
);
η
i
=ξ
1
×α1i+ ・・・・ +ξ
n
×αni (i=1,・・・・,n)
の形に表現されます。枠の線型変換の記述としての座標変換は,絵の線型変換の記述として読める。そして,絵の線型変換の記述としての座標変換は,その係数がつくる行列
の階数が線型空間の次元と同じであれば──これは,絵の線型変換が1対1であるための必要十分条件──枠の線型変換の記述として読める。
実際,座標変換
に対する“枠の変換”の読み方は,
(*)《線型空間(
D
,
K
)の二つの基底{
u
1
, ・・・・,
u
n
},{
v
1
,・・・・,
v
n
}に対し,
u
i
=
v
1
×
α
i1
+ ・・・・ +
v
n
×
α
in
(i=1,・・・・,n)
u
1
×
ξ
1
+ ・・・・ +
u
n
×
ξ
n
=
v
1
×
η
1
+ ・・・・ +
v
n
×
η
n
》
“絵の変換”の読み方は,
(#)《線型空間(
D
,
K
)の基底{
u
1
,・・・・,
u
n
}と線型変換(写像)
f
:
D
─→
D
に対し,
f
(
u
i
)=
u
1
×
α
i1
+ ・・・・ +
u
n
×
α
in
(i=1,・・・・,n)
f
(
u
1
×
ξ
1
+ ・・・・ +
u
n
×
ξ
n
) =
u
1
×
η
1
+・・・+
u
n
×
η
n
》
そこで“枠の変換"(*)は,
f
(
u
i
)=
u
1
×
α
i1
+ ・・・・ +
u
n
×
α
in
(i=1,・・・・,n)
で定義される線型変換(写像)
f
による“絵の変換”と区別できず,逆に,“絵の変換"(#)は,基底{
f
(
u
1
),・・・・,
f
(
u
n
)}──これが基底になるための条件が,“行列(α
ij
)の階数は空間の次元と一致する"──を基底{
u
1
,・・・・,
u
n
}に取り替える“枠の変換”と区別できない。