- 学生がゼミを選択する基準は,およそつぎのものが考えられる:
- 教員に対する好き嫌い
- ゼミの専門分野に対する興味関心
- 自己目標との関わり
- 教員採用試験準備への専念がゼミによって制約される度合い
- ゼミにおける作業のたいへんさ・容易さの度合い
学生は,これらをバランスにかけて,ゼミを選択する。
- 学生には,つぎの傾向がある:
- 教員採用試験準備への専念に,高いプライオリティをおく。
- 作業のたいへんな勉学は,敬遠する。容易な方を選ぶ。
- ゼミ経営の特徴は,上記の傾向との親和・背反の度合いの意味をもつ。
よって,ゼミ選択の重要な基準として学生が用いるものになる。
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親和的 |
背反的 |
ゼミ開始時期は? |
4年 |
3年後期 |
教採準備期間として ゼミ休閑期間を設けるか? |
設ける |
設けない |
卒論があるか? |
ない |
ある |
ゼミに対する準備作業は? |
たいへんでない |
たいへん |
主体的作業が必要か? |
必要でない (ルーチンがある) |
必要 (ルーチンがない) |
成績評価の傾向は? |
全員にAがつく |
高めの要求水準をクリア しないと,Aがつかない |
- 親和的・背反的は,学生が平生の授業からもこれを推し測っている。
- 親和的であると学生から見なされたゼミは,学生の配属希望が集中することになる。
背反的であると見なされたゼミは,配属希望者が僅かとなる。
- 学生のゼミ配属希望において著しい不均衡が生じる現象は,学生の側に原因があるのではなく,教員・大学の側に原因がある。
──このことをしっかり押さえることが肝心である。
- 特に,一つのゼミの学生上限数を一律に決めるのは,道理が立たない。
「上限数を一律に決める」が「教員・大学の側に原因」に対する何かのソルーションになっているということが,認め難いからである。
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