Up <伝える>は,成立しない 作成: 2009-08-05
更新: 2009-08-05


    授業の初心者は,<自分が伝える・イコール・相手が受け取る>にする:
      自分が話せば,相手はそれを聴いて受け取る。
      自分がディスプレイすれば,相手はそれを視て受け取る。

    実際は,こうである:
      自分が話すことを,相手は自分が想うようには聴かない。
      自分がディスプレイすることを,相手は自分が想うようには視ない。

    この授業者は,自分自身を生徒にしているのである。
    自分自身に向けて,話し,ディスプレイする。
    自分自身が生徒なのだから,授業はスラスラ進む。

    この授業者は,生徒の成績評価の段になって,生徒がぜんぜん理解していないことを知る。 これまでの授業は何だったのだと,愕然とする。

    この授業者は,つぎにどの方向に進むか?
    およそつぎの3通りである:
    • 自分は授業ができていない」というとらえをする。
    • 生徒の能力が低い」という合理化をする
    • 授業とはこんなもんだ」という合理化をする


    <教える>は,<伝える>ではない。
    <伝える>が成り立たないから,<教える>を考えることになるのである。
    そして,この<教える>は,なかなか成らない。